美しいのに、どこか恐ろしい
かなり短い作品ですが、刺青を彫る場面がとにかく印象に残りました。 文章から伝わってくるのは、華やかさや美しさだけではありません。その奥に、執着や危うさのようなものが漂っていて、読んでいるうちに少しずつ作品の空気に取り込まれていきます。 短いからこそ一つひとつの場面が濃く、読み終わったあとには、物語というより一枚の妖しい絵を見たような感覚が残りました。 古い文学は難しそうだと感じている人にもすすめやすい一作です。谷崎潤一郎をまだ読んだことがなければ、まずこの短編から読んでみてほしいです。